2014年中途採用状況の総括

まとめ

【2014年】中途領域の採用活動まとめ

①規模拡大を目指した採用が増加

積極的な採用が行われた2014年。企業が中途採用を実施した名目で、意外にも最も多かったのは、【経営状態の好転・既存事業の拡大】であった。

次いで、【組織の存続と強化】【将来の幹部候補・コア人材の確保】等が挙がり、景気向上に伴い、将来を見据えた投資が進んだようだ。

年別で見ると、【経営状態の好転・既存事業の拡大】【組織の存続と強化】等は、年々増加しているが、
【退職者の増加】を起因とする募集は、3年連続での減少傾向にある。

中途採用が、「穴埋め採用」から、「規模拡大」等のポジティブなものへとシフトしている、という事が確認できるだろう。

②人材不足の加速

事業拡大を目指し、採用を実施した各社。人材の不足感に関しては、実に73%の企業が、「不足している」と回答。

「ちょうど良い」は22%。「余剰を感じている」は僅か3.6%だった。

年別で見ても、2012年以降、「人材が不足している」と回答した企業は、増加の一途をたどっている。その中でも特に、【100~299人規模】の企業に至っては、全体の81.2%が不足していると回答している

職種ごとでは、【ソフトウェア・通信】88.5%【流通・小売】 84%【金融】 83%の3つが、8割を超えている。
余剰感についても、【ソフトウェア・通信】1.1%【流通・小売】【金融】0%と、人材不足が顕著に見受けられる。

獲得が難しい、技術者を必要とする業界や、人の移動が激しい業界では人手不足が深刻化しているようだ。

一方で【広告・マスコミ】業界では、不足を訴える企業が50%にとどまり、先ほど挙げた【ソフトウェア・流通・金融】等と比較すると、やや余裕があった。

 

③選考を厳しくした企業は10.7%のみ

採用の選考基準について、「前年より甘くした」と回答した企業は16.8%、「前年並み」は72.5%、「前年より厳しくした」は10.7%だった。

年別に見ると、2012年以降「前年より厳しくした企業」は15.6%→14.4%→10.7%と3年連続減少。一方「甘くした企業」は13.6%→16.4%→16.8%と増加を続けている。中途採用が厳しくなる中、選考基準を緩めざるを得ない企業が増えているようだ。

年別 中途採用の選考基準

業界別に見ると、「昨年より甘くした企業」が多いのは「金融」(25.0%)、「サービス・インフラ」(21.2%)、「流通・小売」(18.2%)。一方、「昨年より甘くした企業」が少ないのは「商社」(8.5%)、「広告・出版・マスコミ」(12.5%)などの業界だった。

業界別 中途採用の選考基準

④職務経歴を重視する姿勢に

採用選考基準のうち、「前年より甘くした項目」について尋ねたところ、「職務経歴」が78.2%で最も高く、「ポテンシャル」(23.8%%)、「資格」(21.8%)が続いた。低かった項目は「語学力」(1.0%)、「自己PR」(9.9%)、「仕事の成果」(10.9%)となった。

業種別 前年より甘くした項目

年別に見ると、2012年以降年々厳しくなっている基準は「資格」「語学力」。仕事のグローバル化やスペシャリストを求める傾向が現れている。

 

まとめ

各項目をご覧いただいてもわかる通り、即戦力層については今後より一層、熾烈な取り合いが予想される。
各企業、ポテンシャル採用を行いターゲットを広げる、もしくはこれまで行っていた選考基準に無意味に門戸を狭めるような項目がなかったか、
などテコ入れを行うなどを視野に入れつつ、採用活動に取り組むと良いのではないだろうか。

 

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