労働契約法改定のおさらい
人件費の変動費化として企業に貢献してくれていたパートやアルバイト、
派遣労働者などの有期雇用契約が、見直されて1年が経ちました。
労働契約法は数年に1度、見直し・改正が行われています。
その都度、「平成○○年度 労働契約法」といったタイトルの書籍が、
本屋に並びます。
経営や人事に従事している方は、手に取ったことがあるのではないでしょうか。
数年に一度ではありますが、労働契約法は変化のある法律なのです。
何事にも情報は必要です。
というわけで、今回は平成24年4月に改正された3つのポイントについて、
おさらいとして触れてみることにします。
目次
労働契約法改正の3つのポイント
1、有期労働契約から無期労働契約への転換の義務化
2、使用者による「雇止め法理」の法定化
3、合理的でない労働条件の禁止
※有期労働契約とは
1年契約、6か月契約など契約期間の定めのある労働契約のことをいいます。
有期労働契約であれば、パート、アルバイト、契約社員、嘱託など、
職場での呼称にかかわらず、対象となります。
1、有期労働契約から無期労働契約への転換の義務化
同一の使用者との間で、有期契約が通算で5年を超えて、
反復更新された場合は、その労働者が申し込みをすることにより、
無期労働契約に転換します。
これは、転換の申し込みをされると、
使用者は申し込みを承諾したものとみなされ、
その時点で無期労働契約への転換の契約が成立します。
2、「雇止め法理」の法定化
有期雇用契約は、使用者が更新の拒否をすることで、
契約期間満了に伴い、雇用が終了するものです。
しかし、これには無効とするものが確定しています。
対象となる労働契約は、
①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが、無期労働契約の回顧と社会通念上同視できると認められるもの
②労働者において、有期労働契約が更新されるものと期待することに、合理的な理由があると認められるもの
上記のような有期労働契約の場合は、雇止めが認められず、
契約が更新されることになります。
(「雇止め法理」の法定化は平成24年8月10日から施行されています。)
3、不合理な労働条件の禁止
同一の使用者との労働契約において、
有期雇用契約と無期雇用契約との間で、
期間の定め(有期雇用契約)であることで、
不合理な労働条件を結ばせる(相違させる)ことは禁止されます。
この対象となる労働条件とは、賃金や労働時間等の狭義な労働条件以外にも、
災害補償や福利厚生などの一切の待遇が含まれます。
職務の内容や責任の程度などを考慮して、
個々の労働条件ごとに判断されることになります。
結果として
この1年前に行われた改正は、
結果として経営者や人事担当者に、
どのような印象を残しているのでしょうか。
なかには、経営(人事)がやり難くなったという声もあります。
そう感じた方は、考え方を転換してみましょう。
情報が溢れている現代社会ですから、
知識を持っていないと足元をすくわれることもあるのです。
労務管理は法律である以上、やらなければならないことですが、
競合との競争で生き残るため、
より良い会社にするため、
そういった、意識を求められているのかもしれません。
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